小売業への就職が「恥ずかしい」とか
小売業が「底辺」だとかいう声を聞いたことがありますか?
私は20年小売業で勤めました。
社会人として本当に成長させてもらえました。
この記事を読めば、小売業に就職しなければなり得ない、将来のプロの販売員像が見えてきますよ。
この記事を読んで欲しい人
→小売業に就職を考えているけど、なんとなく友達に言うの恥ずかしい。
→小売業ってあんま身につくようなスキルや資格ってないんじゃない?
このページは以下の内容を
リアルなデメリットも含めて書いています。
- 小売業で習得できるスキル
- 小売業で習得しやすい資格
- 小売業の休日と給与
- 小売業でのやりがい
- おまけ
最後の「おまけ」では、
私がそんな小売業を退職した理由も書いておきます。
興味があったらぜひ読んで見てくださいね。
小売業は底辺?スキル習得できます
そもそも”底辺”って言われる理由はなんなんですかね?

失礼な話だ
20年続けていて思っていたのが2つあります。
①『お客さまは神』的な考えの頭がゴリゴリなお客さんに当たった時「最悪」。
だって、同じ人間・初対面なのに

なぜタメ口!
なぜ命令!
こんな経験は小売業にいると当たり前です。
私は”お客さまは神”的なお客さんが現れた時は、
大人な対応をしておいて、それを
ネタにして友人や家族にすべらない話にさせてもらってましたよ笑笑
②友達や家族が休みの時に猛烈に働いている。
お盆・正月・土日祝。
盆も正月に、まとまった休みは取れません。
世間の大部分の人たちが楽しそうにしている時に汗を流して働いている自分を比べてしまって
「くっそー!!」と思ったことは小売業についている人は皆経験ありでしょう。
そんなところに『底辺』を感じてしまうのかもしれません。
では、小売業の魅力って、どんなところにあるのでしょう?
小売業で習得できるスキル
- 担当する商品の知識が専門店並みもしくは超える
- 買い物の心理がわかる
- 自分が買い物する場合、得する買い物方法がわかる
- 接客術が身につく
- 臨機応変な対応力が身につく
- 言いたいことを伝える方法が上手くなる
- かかってくる電話が苦手でなくなる
順に解説していきます。
担当する商品の知識が専門業者並みに得られる。
小売業と一言で言っても、店舗で担当する部署の種類は幅広いです。
- 食品(生肉・生鮮・鮮魚・菓子・米・・・)
- 衣料品(肌着・レディス・メンズ・キッズ・ベビー・・)
- 住まい(布団・インテリア・家電・キッチン用品・・・)
- 事務(総務・人事)
- 物流(商品の搬入・仕入れ管理)
- 営業(販売促進に関わる業務)
配属する部署によって扱う品物や仕事が異なるんです。
これが小売業で勤める最大のメリットだと私は思います。
5年くらいずーっと同じものを販売していく毎日より、ちがう分野の品物を扱ってみたくなると思いませんか?まさに、わずらわしい転職をせずとも仕事を変えられるんです。
実際に私は、旅行用品をしっかり5年販売したし、子供用品も長きに携わりました。
担当が変わるといいうは新鮮でモチベーションが上がるものです。
おかげで、退職した今でも、
旅行や子育ての場面で知識が役立っています。
買い物の心理がわかる
スーパーの売り場は食品も衣料品も、
人間の原理原則に従って作られています。
<脳の「無意識」の部分に働きかけて購入させている>ということなんです。
心理学を使った販売なんですね。
実際の私の販売方法では
・心理をくすぐる陳列
・心理をくすぐる演出
・心理をくすぐる色の順番
・心理を字の色
を人間の原理原則に沿って駆使できます。
入社すれば研修で教わる内容ではありません。
会社は現場に対して陳列方法を機械的に指示しますが
その原理原則までを教えることをしないので
気がついた私はラッキーで
この記事を読むあなたもラッキーなんです。
自分が買い物をする時、得する買い物方法がわかる
スーパーの売り場が心理戦だとわかれば
買い物する側の立場になった時に「冷静に品定めができる」のです。
次のお話をイメージしてみてください
お家時間に使える安いTシャツを買いに行ったあなた。
エスカレーターから降りるとすぐ目の前に、大量に並べてあるからフルなTシャツ。
オレンジや青から白黒に至るまでカラーバリエーションが豊富。
大きく『1000円均一』と書いてある。
「ちょっと手にとって触ってみたい…」
よく見ると『グレーが一番人気』と書いてある。
「なるほど着回せるしグレーが使いやすいよなー」と考えているあなた。
イメージできましたか?
あなたの脳が普通なら、こんな経験の内の3回に1回は購入に至っているのではないでしょうか。
買わなかったとしても、カラーバリエーション豊富な1000円のTシャツは記憶に残りますよね。
記憶に残ると購入率は上がります。
私がこのTシャツ売り場のお客さんなら
グレーの1900円のTシャツが自分にとってお得かどうかだけを考えます。
カラーバリエーションなどどうでもいいので、ほかに700円のTシャツがあるはずだと探します。
まるで、”ひねくれ”です。笑
いえいえ、目が肥えていると言ってください^^;
自然とこのような行動をするようになるのです。
食品売り場でも同じことが言えます。
接客術が身につく
声をかけられたくないお客さんと、相談に乗ってもらいたいお客さんは
すぐに見分けられます。
そして相談に乗ってもらいたいお客さんからは
ニーズが何か欲している情報はどんなことかを判断することができます。
たまにないですか?
聞きたいことに答えてくれない店員さん。
「いやそうじゃなくて…」って少しイラっとしてしまいます。
接客にも術があるんです。
臨機応変な対応力が身につく
マニュアルはあります。
でも何事も型にはハマらないですよね。
コンプライアンス尊守の範囲内で、できることできないことを瞬時に判断し
前進する能力が自然と身につきます。
小売業は、世の中の変化に遅れをとらずにチャレンジし続ける仕事です。
『昨日の正解は今日の正解ではない』 ということもあるため、独特なスキルが身につくのです。
だって、今や買い物はネットで簡単にできる世の中です。
スーパーや百貨店だって、前進するために変化し続けているんですよ。
言いたいことを伝える方法が上手くなる
話術が優れているわけではないんです。
論理的に相手を倒すわけでもないんです。
人それぞれ、言葉の聞こえ方が違うということに気がつきます。
なぜなら、一日100人もの人と話をする仕事だからです。
対:お客さん
対:上司
対:部下
常に、「対:ヒト」だから自然と育まれるスキルかと思います。
私の経験のお話をすると、
従業員の少ない売り場で、
毎日毎日、従業員同士のコミュニケーションを取る手段が「ノート」に「書く」ということでした。
人に伝えるための文章の書き続けていたら、人から文章を書くことや添削を頼まれたりすることもありました。
かかってくる電話が苦手でなくなる
かかってきた電話を取ると、何を言われているのかわからなくてテンパってしまうことないですか?
正直私もよくありました。
「わからない」と言えないプライドがあったのかもしれません。
お客さんの立場だとあなたも
何か買い物したい時、行って探すより先に電話して聞いてみたことないですか?
皆考えることは同じで、同じような問い合わせをたくさん受けたりしているうちに電話がなることの恐怖がなくなります。
そんな電話めっちゃ多いんですよね。
お客さんとの電話だけでなく、取引先・本社・店内の内線など コールセンターかと思うほど電話対応の仕事は多いです。
苦手な電話にはすぐ慣れること間違いなしです。
このように小売業は、日々の経験で自然と身につくスキルがたくさんあります。
何もできなかった自分が、5年後には自信にあふれた会社員になっているような気がしますね!
小売業で習得しやすい資格
リテールマーケティング | ビジネス実務マナー検定 |
POP広告クリエイター | サービス介助士 |
サービス接遇検定 | ビジネスマネジャー検定 |
ビジネスコンプライアンス検定 | 社会保険労務士 |
日商簿記検定 | 食品衛生責任者 |
登録販売者 | 家電商品アドバイザー |
以上はほんの一部です。合格することが難しかったり比較的簡単であったり、
資格によって様々ですが、これだけたくさんの資格が取りやすく、また役に立つのですね。

社会労務士と登録販売者に挑戦したかったけど、難しくて挫折した経験あり
小売業の休日と給与
会社によっての違いはありますので注意してください。
休日について
小売やサービス業が採用しているのは、
『変形労働時間制』を採用した働き方です。
1日の労働時間を8時間と決めずに閑散期と繁忙期とで人時をうまく使える仕組みになっています。
1年間に取得できる休日数が決まっていて、休日の多い月・少ない月とがあります。
私の会社では1年間に120日の休日が取れました。
お盆・正月・土日祝日など世の中が休みなら、私たちはガンガン働きます。
友人や家族とお正月休みに旅行へ…とかは無理になってくるので
小売業への就職が自分に合うかどうかもここがポイントになりますね!
お分かりの通り、
世の中がガンガン働いている時に、私たち小売業はまとめて休みやすいので
遊びに出かけましょう。
海も山も川も丘も、めちゃめちゃ空いてます。

平日って安い♪
給与について
独身で30才の時、勤続9年で年収500万円
出産後の時短勤務、勤続15年で年収300万円でした。
50代の夫は30代からずっと年収500万円でした。
小売業の中では良い方だという認識です。
世の中が変化し通販が伸びている中で、小売業の将来性には厳しさを持って見ていました。
転職サイトデューダが分析した、
2020年の業種分類別平均年収ランキングがこちらです↓

小売業は底辺?小売業のやりがいとは?
小売業に就くことを「恥ずかしい」と捉える人がいるそうですね。
そんな人が周りにいる場合は、ぜひ教えてあげてください。
・小売業は、地域の人たちがあたり前の暮らしをおくるために必要な品物を提供する。
・だから小売業は、底辺どころか、とても誇らしい仕事である。
おまけ
- 手を抜いてスキルを習得できていない社員も同じ給料をもらっている事に疑問を感じた
- 小売業でもスキルを習得できたからもっと他に学びたくなった
- 他にも何かに打ち込めば年収300万円は超えられると思った
テレビで見た100万円の札束の薄さにびっくり驚愕しました。

100万円の札束って、まるで
板こんにゃくやん
1年働いても板こんにゃく3枚分しか得られない。自分の評価ってそんなもんか…
という気付きも、退職を考えたきっかけでしたね。
まとめ
小売業界に入ることが恥ずかしいのかもって考えていた方は
そうでもないと知ってもらえたと思います。
自分がいきいきと働く社会人像が浮かびませんか?
今記事が、就職・転職活動に役立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。